なんだか鼻の入口がかゆい、むずむずして気が散る、という症状は出ていませんか?
また、お子さんがしきりに鼻を気にして、こすったり頻繁に触っていませんか?
もしかしたら、鼻の入口付近に湿疹ができる「鼻前庭湿疹(びぜんていしっしん)」かもしれません。
鼻のかゆみがひどいと、ますます鼻を触ってしまい症状が悪化するかもしれません。
「耳鼻科に行ったほうがいいのかな?」
「ほうっておいたら治るのかな?」
今回は、鼻の入口にかゆみがでる「鼻前庭湿疹」について詳しくご紹介していきます。
鼻が痒いのはなぜ?原因は?
鼻の入口付近がかゆく、むずむずしていませんか?
それは、ただの鼻炎ではなく「鼻前庭湿疹」かもしれません。
鼻をいじったり鼻をかむことが続くと、皮膚に刺激を与えてしまうので、ますます症状は悪化する可能性があります。
適切な治療で早くその不快なかゆみから解放されましょう。
鼻前庭とは、鼻の穴の入口付近で鼻毛が生えている部分です。
鼻の入口が荒れて、かさぶたができ、かゆみや刺激がある状態を鼻前庭湿疹といいます。
症状が悪化すると、鼻前庭の後方に続く粘膜にも荒れが進み、潰瘍ができ、鼻血が出ることもあります。
どうして起こったのか分からないことも多いのですが、
・鼻毛を抜く癖のある人
・鼻毛を伸ばしたまま不潔にしている人
・慢性的な鼻炎の人
などが原因だと考えられています。
・アレルギー
・副鼻腔炎
などがあると鼻水の刺激で出来やすくなります。
大人も子供も慢性的な鼻炎がある場合は、鼻炎の治療をすることで鼻前庭湿疹を防ぐことができます。
また、鼻炎や副鼻腔炎などで、鼻の入口付近が常に濡れている方は、鼻をかんだり、鼻をこすったり、する程度の刺激でも湿疹ができます。
鼻は結構敏感なので、鼻前庭の皮膚に刺激を与えるとすぐに炎症を起こしてしまうので、あまり手で触らないようにしてください。
鼻前庭湿疹の検査と診断
炎症を起こす原因は、細菌の感染です。
検査方法は「細菌検査」を行います。
ほとんどが黄色ブドウ球菌による感染ですが、細菌は抗菌薬に対して耐性のあるMRSA(メチリン耐性ブドウ球菌)の検出率が増加傾向にあるとの報告があります。
ただの鼻炎だからと自己判断して放置していると、症状は悪化するかもしれません。
鼻前庭湿疹の治療法
発症している部位が小さい場合は、出来るだけ触らないように放置しておくだけで湿疹を治すことができます。
ステロイドや抗生物質を含んでいる軟膏を使った治療法なら、皮膚のかぶれや炎症などの症状を緩和させることが可能です。
ステロイド軟膏は、1日3回患部に塗り、なるべく鼻を触らないように気を付けていれば2~3日で治ります。
鼻水が止まらない症状が出ている時は、鼻炎を治療する薬を飲むことで湿疹の症状を緩和することができます。
重症の場合は、軟膏だけでなく内服薬も処方されることもあります。
子供の場合、「鼻を触ってはダメ!」と注意しても、気になって触ってしまいますよね。
爪を短く切って清潔に保ち、薄手の手袋をつけて直接患部に触らないようにする方法もあります。
鼻を気にして触っていると、皮膚が黒ずんだり、何かしら跡が残るかもしれませんね。
そうならないためにも、大人も子供も専門家の治療を受け、適切な処置をすることが大切といえます。
まとめ
我が家の赤ちゃんも季節の変わり目に鼻水をだし、鼻の入口が赤くただれたことがあります。
さいわい症状は軽く、すぐに鼻水もとまりました。
鼻水を拭いただけでなく、水でぬらしたコットンで鼻の入口を軽くトントンとしてあげたのも良かったのかもしれません。
症状が軽い時は、なるべく鼻の入口を触らないように、患部をこすらないようにすれば、症状は軽くなります。
しきりと鼻をいじったり、さわる癖のあるお子さんは、もしかしたら鼻の病気が隠れているのかもしれません。
「行儀が悪いわ」「変な癖がついたわ」、と怒らずに一度耳鼻科を受診してみるといいかもしれません。